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婦人科

概要

当科の特徴や医療機器の紹介

骨盤臓器脱の相談にみえる方が多くなり、受診者の平均年齢が高い傾向にあります。また、最近は10年来通院されている方が母娘で受診され、親子二代にわたって手術や外来相談されるケースも増え、一所に長く勤務し医療を提供する責任と意義を感じております。当科通院者を対象に2016年10月にインナーマッスル体操の会を開始、以後年3回定期的に行うようになりました。骨盤臓器脱の改善目的で始めたのですが、結果的に筋力低下に関連すると思われる愁訴に効果があったため、最近は年齢にかかわらず参加を勧めています。

当科には「子宮が下がっている感じがする」、「市のがん検診で精査が必要と言われた」、「検査で貧血を指摘された」、「下腹部にしこりがある」、「外陰部の不快感」、「おりものが多い」、「更年期の相談」、「月経不順」、「生理痛が重くなった」、「不正出血」、「他院で撮ったCTやエコーで骨盤内に腫瘍があると言われた」といった訴えで受診される方が多いです。

外来中に随時行える検査は、超音波検査、コルポスコピー検査、単純CT検査です。

他科と比べて婦人科にかかるのはハードルが高いと思いますが、私以外の外来担当医も女性医師ですので、気軽にご相談ください。

主な取り扱い疾患

悪性腫瘍の治療については、2014年以降新規の取り扱いは行っておらず、診断後は腫瘍専門医のいる施設にご紹介をしております。癌緩和医療については、当院相談室経由でご相談ください。マンパワー的に可能な範囲ではありますが、対応しております。

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骨盤臓器脱 

脱腸は腹壁を介して弱った組織の隙間から腸が飛び出す病気ですが、骨盤臓器脱は、膣壁を介して弱った骨盤底支持組織の隙間から子宮や膀胱、直腸が飛び出す病気の総称です。飛び出した臓器によって子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤といいます。多産、圧迫骨折、肥満、便秘、喘息や花粉症、心不全等による呼吸困難、畑仕事などの重労働は、腹圧をあげるため骨盤臓器脱が起こりやすくなります。診察をしてみて軽症の方には、腹圧をかけない日常生活指導といわゆる骨盤底筋体操ではなく、インナーマッスル体操を指導しています。常に脱出したままとなり、生活の質が著しく低下している方にはペッサリー療法や手術療法を提案しています。手術療法についてはメッシュを用いた手術と、従来法を取り扱っており、手術希望の方にはそれぞれの長所短所を十分に説明したうえで選択していただいています。

子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)

子宮頸がんの前癌病変です。子宮頸がん検診で、精密検査の対象になると、コルポスコピー下パンチ生検という組織検査を行います。その結果で軽度異形成(CIN1)、中等度異形成(CIN2)、高度異形成・上皮内癌(CIN3)が確定されると以後は、ガイドラインに従って管理治療していくことになります。CINの主な原因はハイリスクヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染によるといわれています。性交渉によりHPV感染しますが、9割くらいの人は自然にウイルスを排除します。残りの人はウイルスを排除できず、持続感染となりやがてCINが発生します。CIN1になっても8割は自然消失し、CIN3でも1割は自然消失するといわれています。しかし残念ながら自然消失しなかった人が数年から10年かけて最終的に子宮頸がんに至るという事がわかってきました。よく、お薬はないのですかと質問されますが、今のところ予防ワクチンはありますが、なってしまってからの治療薬はありません。本人の免疫力により自然治癒するかをウイルスの型でリスク評価しながら外来観察していくことになります。CIN2-3の人は、経過によっては治療をお勧めします。当科では一泊二日で円錐切除を行っていますが、その他の治療(レーザー蒸散やリープ切除といった日帰り治療)についても情報提供したうえで、他施設のご紹介もいたします。

卵巣腫瘍 

卵巣は子宮の両側に1個ずつあり、3㎝前後(閉経後は萎縮し1㎝前後になります)の小さな臓器です。卵巣腫瘍はその卵巣に発生した良性、境界悪性、悪性腫瘍の総称です。もともと骨盤内の小さな臓器なので、腫瘍ができても大きくならないとほとんど症状がありません。受診のきっかけとなる症状は、腹痛、おなかが張る、トイレが近くなった、腹部にしこりがふれる、生理痛が重くなった、月経不順等で、無症状で別の科にかかり偶然CTをとって見つかる場合もあります。
薄皮の中に液体がたまったように見えるもの(卵巣嚢腫)が、卵巣腫瘍の8割強を占め、それらの大部分は良性です。残りの1割強は液体と充実性部分が混在する卵巣腫瘍で、そのうちの8割強が悪性です。超音波検査で、このような腫瘍の性状を確認し、必要があれば、CTやMRI検査を追加します。このような画像診断と、腫瘍マーカー値などを総合的に判断して、管理方針が決まります。卵巣腫瘍は、腫瘍細胞を直接とって検査するわけにはいかないので、100%良性とか悪性とかを術前に言い切ることはできません。しかし上記のように評価して良性と考えられれば、年齢や挙児希望の有無などを考慮して、腫瘍部分だけをとるかあるいは腫瘍のある側の卵管卵巣全部をとるか、腹腔鏡で行えるか、開腹か等を決めていきます。また、茎捻転といって、卵巣腫瘍がねじれて栄養血管が遮断されて激しい痛みを生じている場合は緊急手術が必要になる場合もあります。悪性の可能性が高いと判断した場合は、術中迅速病理診断が可能な、専門施設にご紹介しています。

子宮内膜症 

子宮内膜に似た性格を持つ細胞が子宮内腔以外のさまざまな場所に発生発育する疾患です。その原因はまだはっきりしていません。毎月の月経周期に一致して、内膜症の発生した場所で、月経様出血を起こすことで様々な症状を引き起こします。発生しやすい場所は骨盤内で、不妊症や月経困難症、慢性的な骨盤痛の原因となります。まれには腸や肺に発生して、月経の度に腸閉塞や喀血を繰り返すことがあります。卵巣に発生すると卵巣内に血液がたまり大きな血豆のようになり(内膜症嚢胞)破裂して緊急手術になることもあります。卵巣内膜症嚢胞は癌化することもあるので、長期の経過観察が必要になります。治療は挙児希望の有無、年齢やその方の社会的状況などを考慮しながら、薬物療法や手術療法を行います。

子宮腺筋症 

子宮の筋肉内に、子宮内膜と似た性格を持つ細胞が入り込み増殖する疾患です。従来は子宮内膜症と一緒に扱ってきましたが、現在は別の疾患と扱われています。子宮内膜は毎月剥がれて出血(月経)とともに膣外に排出されますが、腺筋症では月経と同じ現象が、子宮の筋肉内で起こるので、激しい痛みや、出血量の増加、貧血の原因となります。根治するには子宮摘出という事になりますが、年齢や妊娠希望の有無などを考慮して、内膜症と同じような薬物療法で様子を見ることができる場合もあります。なお腺筋症の部分のみを摘出する手術が、一部の先進的施設で行われていますが、腺筋症は筋腫のように正常組織との境がはっきりしておらず、完全にはとり切れません。従って有効性と安全性はまだ確立されていません。

骨盤内炎症性疾患 

子宮および卵管卵巣にかけての、感染症をさします。一般的に多いのは、性交渉を介して膣から様々な病原体が入り、子宮頸部→子宮体部→卵管→卵巣と骨盤内全体に感染が広がっていく上行性感染ですが、他にも虫垂炎や結核性腹膜炎から卵巣卵管と降りてくる下行性感染もあります。自覚症状としては、歩くとひびく下腹部の痛みと発熱、排尿時の違和感や痛み、おりものが増え、急に生理痛が重くなったなどです。原因の病原体を確定して、有効な薬を投与しますが、治癒後も癒着により不妊症になることがあります。また薬物療法が無効の場合は、手術で感染病巣を摘出しなければならないこともあります。

卵巣機能不全 

卵巣は毎月排卵と月経を周期的に繰り返すように脳内のホルモンから指令を受けていますが、何等かの原因でこのバランスが悪くなって、月経が来なくなったり、不正出血が続いたりすることがありこういった状態を卵巣機能不全といいます。思春期を過ぎて性成熟期に入ると月経は25日から38日間隔で起こり、出血の持続期間は3日から7日間になります。25日未満で出血したり、39日以上間があいたり、3か月も月経が来ない場合は卵巣機能不全を疑って受診されることを勧めます。18歳を過ぎても初潮そのものが発来しない場合は原発性無月経として専門的施設での検査を勧めます。若い女性の場合は一時的な卵巣機能不全が多く、ストレスやダイエット、過度の運動、冷えによる血行障害、薬剤性、など原因を改善すると元に戻ることが多いです。しかし、多嚢胞性卵巣症候群や乳汁分泌を伴う無月経などはホルモン検査などで診断がつき、中長期的管理が必要になります。43歳未満で無月経と更年期症状があれば、早発閉経を疑ってやはり受診を勧めます。受診前に基礎体温をつけて持参されると、初診での情報が増えて、受診回数の削減にもつながるので、仕事を持つ忙しい方ほどつけることをお勧めします。

更年期障害 

閉経とは卵巣の活動性が次第に消失し、ついに月経が永久に停止した状態をいいます。 月経が来ない状態が12か月以上続いた時に、1年前を振り返って閉経としています。そして閉経前後の5年間を更年期といい、この期間に様々な症状が起こり日常生活に支障をきたす場合に更年期障害を疑います。日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます。更年期障害の症状は様々ですが、突然発作的に顔がほてり、汗が噴き出すホットフラッシュという症状が特徴的です。他に動悸やめまい感、手足の関節の痛みやこわばり、気力の低下、鬱やイライラなど情緒不安定などもあり、実際に器質的疾患(不整脈 甲状腺機能異常 整形外科的疾患 消化器疾患など)を否定したうえで診断する必要があります。精神科的疾患か判断が難しい場合もあります。
外来では初診時に更年期スコア、心理テストを行っていただき評価後、更年期障害以外の原因が疑われる場合は他科受診を勧めることもあります。治療は、ホルモン補充療法、漢方治療、食生活や運動ついてのアドバイスを行っています。症状によっては精神科併診の可否についても相談していきます。

不妊症 

日本産婦人科学会では不妊とは、妊娠を望む生殖年齢の男女が避妊しないで通常の性交を継続的にしているにもかかわらず、妊娠成立しないものと定義されています。妊娠しない期間についてですが、以前は2年以上でしたが、平成27年8月に1年以上に改訂されました。しかし一年を待たずとも、骨盤腹膜炎後の癒着で卵管が両側閉塞している場合など、通常の性交渉では妊娠しない事が判明している場合は期間を問わず治療を開始します。当科では、基礎体温、超音波検査、子宮頸がん検査、クラミジア等の感染症検査、ホルモン検査、子宮卵管造影検査、精液検査(これはご主人に当科のカルテを作っていただき行うか、ご主人の職場近くでかかりやすい泌尿器科を受診していただいて受けていただいております)といった一般的検査を行っています。検査の結果で体外受精など専門的治療が必要となる場合は、他施設をご紹介しています。

膣外陰部良性疾患 

外陰部や膣の感染症(カンジダ、ヘルペス、トリコモナス、ガードネレラ菌その他の細菌など)閉経後の萎縮性膣炎、バルトリン腺嚢胞等があります。
外陰部粉瘤で摘除が必要な場合は日帰り手術対応ができる形成外科に院内紹介いたします。慢性湿疹、外陰部掻痒症などで、専門的診断を要する場合は皮膚科への紹介をいたします。

手術について

TVM手術については、FDA(アメリカ食品医薬品局)の勧告以来当科でも減少傾向ですが、メリットデメリットを十分に説明したうえで行っております。円錐切除術はコールドメスによる従来法で、一泊二日です。執刀医はすべて頼永が対応している関係で、年間手術件数は60件前後です。

(当科で取り扱っている術式)
・円錐切除術  
・腹腔鏡下付属器摘除術(単孔および多孔)

・腹腔鏡下卵巣嚢腫摘除術
・腹腔鏡補助下膣式子宮全摘術
・腹式筋腫核出術
・腹式子宮全摘術
・腹式付属器摘除術
・TVM(tension-free vaginal mesh:メッシュを用いた骨盤臓器脱手術)
・膣式子宮全摘術(骨盤臓器脱従来法の場合は、適宜膣壁形成、膣中央閉鎖術)
・バルトリン嚢腫摘除など外陰腫瘍摘除術

インナーマッスル体操の会

2016年10月12日に第一回体操の会を開催しました。当初は高齢の骨盤臓器脱患者様が対象でしたが、病棟で開腹術後の下肢筋力低下予防に利用したところ効果がみられたので、本疾患以外の方で筋力低下が関係した愁訴がある人に対しても積極的に勧めることにしました。年3回(2月、6月、10月の第二水曜日の午後)だけですが、外来通院中の方より20名から30名の範囲で予約を募り、2時間ほど体操指導を行っています。今年の6月はコロナ自粛後のため、3密を防ぐ工夫を行い、少人数で行いました。

特に効果を実感しやすい体操は、「寝ながら片足挙げ」と名付けた体操です。
毎日継続されている方からのアンケート結果では、「歩くのが早くなって、前より疲れにくい。」「夕方の子宮下垂感が減った。」「便通がスムーズになった。」「尿が我慢しやすくなった。」「姿勢がよくなった。」「下腹部の力が抜けやすくなった。」といった意見をいただいています。

医師紹介

頼永 八州子よりなが やすこ
専門・取得資格等 日本産科婦人科学会専門医 日本東洋医学会漢方専門医 緩和ケア研修会受講修了 外来・手術担当
雇用形態 常勤
メッセージ

お電話でご予約の際、受診内容についてお伺いしますのでご了承ください。
現在外来および入院手術治療ともに女性医師が担当しております。
手術療法は開腹術・膣式手術・腹腔鏡下手術を行っています。
(ただし子宮筋腫核出術は原則開腹術です。)骨盤臓器脱の手術は従来式手術とTVM手術を症例により使い分けております。
不妊治療で、人工授精以上の治療が必要になる方は、専門施設へご紹介させていただきます。当科ではHPVワクチンは扱っておりません。

出内 治奈いでうち はるな
専門・取得資格等 日本産科婦人科学会専門医 外来担当
雇用形態 非常勤
渡邉 真夕わたなべ まゆ
専門・取得資格等 日本泌尿器科学会専門医 手術担当
三好 みどりみよし みどり
専門・取得資格等 日本泌尿器科学会専門医 手術担当

外来担当医表

午前
(予約制)
頼永 頼永 出内 頼永 頼永 -
午後
(予約制)
頼永 - - 頼永 頼永 -

原則予約制です。電話で予約をお取りください。

TVM手術は火曜日午後、その他の術式については水曜日に行っております。

他院での治療経過がある方は初診時に治療経過の情報提供書を持参の上受診してください。

※赤色は女性医師です。

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